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観測型FAQ研究

種類のちがう問題をまぜて練習すると、同じ種類をまとめて練習するより、あとのテストの成績が高かったと報告されていますか?

回答の要約
算数・数学では報告があります。7年生(中学校の段階)の数学54クラスの試験では、1か月後のテストの正答率が、まぜた側で61%、まとめた側で38%でした。子どもの算数の実験でも、翌日のテストの得点が約2倍だった報告があります。ただし、練習の最中はまぜた側の出来が下がり、59研究のメタ分析では効果が学ぶ材料で分かれ、単語ではまとめた側が上回っていました。

7年生の数学54クラスでは、1か月後の正答率が61%と38%でした

米国の7年生(中学校の段階)の数学の54クラスを、続く2問が同じ解き方にならないように並べた課題と、同じ解き方の問題をまとめた課題に分けて、4か月にわたりときどき解かせたクラス単位のランダム化比較試験は、そのあと両方の群がまぜた復習の課題に取り組み、その1か月後の予告なしのテストで、まぜた側の正答率が61%、まとめた側が38%だったと報告しています。先生は研修なしで実施できたとしていますが、著者は重要な注意点が残るとしています。まぜた課題では同じ解き方の練習の間もあくため、まぜることと間をあけることのそれぞれの寄与は、抄録からは判断できません。

間をあける度合いをそろえた実験でも、翌日のテストの得点は約2倍でした

子どもに4種類の算数の問題を、種類をまぜた順か、まとめた順で練習させ、間をあける度合いはそろえて比べた実験は、まぜた順の練習で練習中の出来は下がった一方、1日後のテストの得点が約2倍になったと報告しています。誤りの分析から、問題ごとに合う解き方を選べるようになったことによる差だと示唆しています。1つの実験で、人数は抄録に書かれていません。

小学3年生のひき算では、解き方の使い分けに差が報告されています

ドイツの小学3年生236人が、3けたのひき算の複数の解き方を14回の授業からなる単元で学んだ実験は、まぜて学んだ子どもが、数の特徴を使った工夫した計算を多く使い、工夫した計算と筆算を問題に合わせて使う力が高かったと報告しています。ただし、まぜた側には解き方どうしを比べる声かけをしていて、まぜることだけの効果とは分けられません。測ったのは解き方の使い分けで、算数の成績全体ではありません。

学ぶ材料によって、効果の向きまで分かれています

59の研究をまとめたメタ分析は、まぜて示す効果が全体で中程度(g = 0.42)で、絵画などの見て分ける材料で大きく(g = 0.67)、算数・数学の課題では小さい(g = 0.34)と報告しています。説明文では全体として有意な差がなく、単語ではまとめて示す側が上回りました(g = −0.39)。種類どうしが似ている材料ほど、まぜる効果が大きかったとしています。

この回答が参照した研究

研究ごとに、調べた対象(標本)、報告された内容、この問いでの用い方を分けて示します。

研究 標本 この問いでの用い方
数学のまぜた練習のランダム化比較試験Doug Rohrer、Robert F. Dedrick、Marissa K. Hartwig、Chi-Ngai Cheung(2020) 7年生(中学校の段階)の数学の54クラス(人数は抄録に記載なし。実施地はERICの記録の地域欄で米国フロリダ州) 米国の7年生の数学54クラスで、1か月後の正答率が61%と38%だった試験
まぜて練習することの効果Kelli Taylor、Doug Rohrer(2010) 子ども(学年・人数は抄録に記載なし。1つの実験) 間をあける度合いをそろえ、翌日のテストの得点が約2倍だった子どもの実験
小学校算数でのまぜた学習:ひき算の解き方を柔軟に使い分けることへの効果Lea Nemeth、Katharina Werker、Julia Arend、Sebastian Vogel、Frank Lipowsky(2019) ドイツの小学3年生236人(まぜて学ぶ群とまとめて学ぶ群に無作為に割り当て。14回の授業からなる単元) ドイツの小学3年生236人で、ひき算の解き方の使い分けを比べた実験
似ていることが効く:まぜて学ぶ効果とその条件のメタ分析Matthias Brunmair、Tobias Richter(2019) 59の研究(158の標本、238の効果量)をまとめたメタ分析(対象者の年齢の内訳は抄録に記載なし) 59研究のメタ分析で、効果が材料によって分かれ、単語では逆だった

この回答で分からないこと

限界
ここで紹介した算数・数学の研究は、米国の7年生の試験、学年・人数が抄録に書かれていない子どもの実験、ドイツの小学3年生の実験で、日本の子どもを対象と明記した研究はありません。テストの出題範囲は抄録から分からないものがあり、練習していない応用の問題まで解けたかは抄録からは判断できません。単語のように、まとめた練習の側が上回った材料もあります。この確認は研究の抄録の範囲で、個々の子どもに合う練習の仕方を判定しません。
出典の層
一次資料を確認した研究4件の報告です。研究の対象と識別方法は同じではありません。