研究検証台帳
子どもの医療費無償化のスピルアップ効果
佐藤大晃、中室牧子(2026年)
書誌と確認の記録
- 資料の種別
- 政府研究機関
- 確認日
標本
青森県40市町村の「青森県子どもの生活実態調査」(2018年と2023年)の小学5年生・中学2年生とその保護者
報告
2時点の間に子どもの医療費の無償化を導入した市町村とそれ以外を比べ、無償化は子どもの健康や医療へのアクセスに有意な影響を与えなかった一方、親の心理的な負担の尺度(K6)を0.60ポイント改善したと報告した。改善は主に所得が上位半分の世帯と、小学生の子どもを持つ親で見られ、中学生の子どもを持つ親では有意な効果は確認されなかったと報告した。
限界
- 一般化できない範囲
- 経済産業研究所の討議用論文(2026年7月)で、学術誌の査読を経た論文ではない。青森県の小学5年生・中学2年生に限られ、同じ人を追った調査ではない。家計の医療費の支出額は測っていない。
この研究を参照するページ
- 子ども医療費の助成で、親の心理的な負担や家計が医療費で困る危険は変わると報告されていますか?報告は少なく、測っているものも研究ごとに違います。青森県の調査では無償化で親の心理的な負担の改善が報告されましたが、主に所得が上位半分の世帯と小学生の親での結果です。大企業の健康保険組合の7〜14歳の研究は、窓口負担0円と比べ、1回2米ドル程度の負担では家計の金銭的な危険はあまり増えなかったとしています。世帯が払った自己負担額の変化を直接測った研究は確認できませんでした。
- 子ども医療費の助成が広がると、子どもの入院が減るなど、健康の改善が報告されていますか?確認した日本の研究では、入院全体の減少は確認されず、健康の改善は一部に限って報告されています。未就学児の主観的な健康との関連(学齢児では見られず)と、1990年代の都市部33市区町村の0〜6歳で保護者が答える症状の減少と1歳未満に限った転帰・死亡率の改善です。市区町村ごとに集計した入院件数の研究は、全体では有意な変化がなく、所得の低い地域で減り高い地域で増えたとしています。
- 子ども医療費助成で受診が増えることと、子どもが健康になることは別の問い子ども医療費の助成が広がったとき、受診、受診の中身、入院や健康、受診控え、親の負担について日本の研究が何を報告しているかを、研究ごとの対象と限界とあわせて整理します。
- 研究検証台帳の一覧登録済みの研究を標本・報告・一次資料で並べています。