研究検証台帳
混乱か、より良い学校への移動か:転校の費用と便益
Eric A. Hanushek、John F. Kain、Steven G. Rivkin(2004年)
書誌と確認の記録
- 資料の種別
- 著者版
- DOI
- 10.1016/S0047-2727(03)00063-X
- 確認日
標本
米国テキサス州の公立学校で4〜7年生を追跡した3つの学年集団(1学年あたり20万人超、1990年代半ば)の算数の学力記録
報告
学区をまたぐ転校では平均して学校の質がわずかに上がった一方、同じ学区内の転校では学校の質の改善は見られず、転校した年に短期の学力の伸びの低下が見られたと報告した。転校した本人の負担には年度途中かどうかで差は確認されなかったが、学校全体の転入の多さは転校していない子の学力の伸びも下げ、その影響は年度途中の転入で大きく、低所得層の子どもに集中していたと報告した。
限界
- 一般化できない範囲
- 1990年代の米国テキサス州の算数の記録に基づく。転居の理由は記録になく、離婚や失業などの家庭の変化と転校の影響を完全には分けられないと著者自身が述べている。日本の学区や転校制度での結果ではない。
この研究を参照するページ
- 転校した子どもは、学力が伸びにくいと研究で報告されていますか?報告は一様ではありません。1994年までの26研究の統合では転校した子どもの読解・算数が平均して低く、米国テキサス州の学区内の転校では転校した年の算数の伸びが低い結果でした。ニューヨーク市では学校の仕組みによる転校で英語(国語)と算数が低く、それ以外の転校で英語(国語)が上がりました。オーストラリアの転居の研究では、転居が多い子どもの成績の低さは家庭と住まいを考慮すると見られなくなり、中程度の転居は成績の向上と関連しました。日本の学校で同じ比較をした研究は、今回確認した範囲にありません。
- 年度の途中の転校と年度の区切りでの転校で、学力への影響に違いがあると研究で報告されていますか?報告は限られ、一様ではありません。米国テキサス州の1990年代の算数の記録では、転校した本人の負担に年度途中かどうかの差は確認されませんでした。一方、転校していない子どもでは、学校の転入が多いことによる伸びの低下が年度途中の転入で大きく、低所得層の子どもに集中していたと報告されています。時期を比べた研究は今回確認した範囲ではこの1本で、日本の学校を対象にした比較もありませんでした。
- 引っ越し・転校が子どもに与える影響は、研究でどこまで分かっているか転校と学力、引っ越しと心の健康、転校の時期、育つ地域と成人後の所得を、海外と日本の研究の標本と報告に分けて整理します。転入先で変わる子ども医療費助成の対象年齢も、行政統計で確かめます。
- 研究検証台帳の一覧登録済みの研究を標本・報告・一次資料で並べています。