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観測型FAQ研究

小学生を対象にした研究でも、読み直すより思い出す練習のほうが覚えていたと報告されていますか?

回答の要約
報告されています。小学3年生や平均10歳の子どもの実験で、思い出す練習をした側の成績が高かったという報告があります。ただし、選択肢から選ぶテストでは差がなかった実験や、何の手がかりもなく思い出させるとほとんど思い出せなかった実験もあり、テストの形式と思い出し方の支え方で結果が分かれています。

小学3年生では、7日後のテストで87%と53%の差が報告されています

小学3年生が短い百科事典の文章を2回読んだあと、ヒントつきで思い出すテストを受けた群と、さらに2回読み直した群を比べた実験は、7日後の4択テストの正答率が、テストを受けた群で87%、読み直した群で53%だったと報告しています。

平均10歳の子どもや8〜12歳の子どもでも、思い出す練習の側が高かったと報告されています

平均10歳の子ども88人が単語のリストを学んだ3つの実験は、どれも思い出す練習をした群の成績が高かったと報告しています。読解力や処理速度の個人差に左右されなかったとしていますが、著者は予備的な証拠だとしています。8〜12歳の子どもが地理の事実を学んだ実験も、思い出す練習をした群が4日後・1週間後・5週間後に多くの事実を思い出したと報告しています。

テストの形式によって、差が出る場合と出ない場合があります

9歳の子どもが語の意味を学んだ実験は、1週間後の穴埋めのテストでは思い出す練習をした群が上回った一方、選択肢から選ぶテストでは差がなかったと報告しています。著者は、実践での価値と効果の大きさに不確かさがあるとしています。

何の手がかりもなく思い出させると、小学生はほとんど思い出せなかったという報告があります

大学生で効く方法を小学生の教室で試した実験は、何も見ずに文章を自由に思い出させると思い出せたのは約10%で、効果がほとんど見られなかったと報告しています。一方、問いを地図の形に並べて思い出す手がかりを示した場合は、繰り返し読むより学習が高まったとしています。

この回答が参照した研究

研究ごとに、調べた対象(標本)、報告された内容、この問いでの用い方を分けて示します。

研究 標本 この問いでの用い方
小学3年生におけるテスト強化学習Antônio Jaeger、Raquel Eloísa Eisenkraemer、Lílian Milnitsky Stein(2015) 小学3年生(人数は抄録に記載なし。1つの実験) 小学3年生で、7日後の正答率が87%と53%だった実験
小学生における思い出す練習の良い効果Jeffrey D. Karpicke、Janell R. Blunt、Megan A. Smith(2016) 子ども88人(平均年齢10歳。3つの実験) 平均10歳の子ども88人の3つの実験で、思い出す練習の側が高かった報告
小学生の事実の学習は、思い出す練習(マインドマップの有無を問わず)で高まるStephanie J. Ritchie、Sergio Della Sala、Robert D. McIntosh(2013) 小学生(8〜12歳)。2つの実験、人数は抄録に記載なし 8〜12歳で、地理の事実を5週間後まで多く思い出した実験
小学校の語彙学習で、思い出す練習は丁寧な読み直しより効果があるかNicole A. M. C. Goossens、Gino Camp、Peter P. J. L. Verkoeijen、Huib K. Tabbers、Rolf A. Zwaan(2014) 9歳の子ども(人数は抄録に記載なし。2つの実験) 9歳で、穴埋めでは差があり、選ぶテストでは差がなかった実験
思い出す練習を小学生に使うには、手助けつきの思い出しが要るJeffrey D. Karpicke、Janell R. Blunt、Megan A. Smith、Stephanie S. Karpicke(2014) 小学生(教室での活動。人数・学年は抄録に記載なし。3つの実験) 手がかりなしでは約10%しか思い出せず、手がかりつきでは学習が高まった実験

この回答で分からないこと

限界
小学生の研究は、単語・語の意味・事実・短い文章を覚える課題が中心で、算数の文章題のような応用の問題での結果ではありません。人数が抄録に書かれていない研究や、1つの実験だけの研究もあります。低学年(1・2年生)を対象にした研究は、この確認の範囲では見つかりませんでした。この確認は研究の抄録の範囲で、個々の子どもに合う勉強の仕方を判定しません。
出典の層
一次資料を確認した研究5件の報告です。研究の対象と識別方法は同じではありません。