研究検証台帳
転居などの大きな出来事は心の健康にどう影響するか:英国の子どもの縦断分析
Tim Morris、David Manley、Kate Northstone、Clive E. Sabel(2017年)
書誌と確認の記録
- 資料の種別
- 大学機関リポジトリ
- DOI
- 10.1016/j.healthplace.2017.06.004
- 確認日
標本
英国の地域出生コホートの子どもについて、4・7・10・12歳で測った情緒・行動の問題の質問票(延べ18,699回分の観察)
報告
転居した子としなかった子の関連の多くは、子どもどうしのもともとの違いで説明された。ただし、同じ子どもの中でも転居した時期の後に心の健康が悪くなる関連が残り、大きな生活上の出来事を考慮しても関連は弱まるものの消えなかったと報告した。転居への反応には子どもによる差が大きかった。
限界
- 一般化できない範囲
- 英国の1地域の出生集団の結果で、転居の理由ごとの違いや日本の子どもへの当てはまりは示さない。観察データによる分析で、測っていない要因の影響を完全には除けない。
この研究を参照するページ
- 子どもの頃の引っ越しは、心の健康や行動面の問題と関連すると報告されていますか?関連の報告はあります。1989〜2020年に発表された64研究のメタ分析は、子ども期の転居と健康の間に、さまざまな結果をまとめて小〜中程度の負の関連を報告し、その強さは結果の種類や転居の回数などで異なるとしています。英国の1地域の出生コホートでは、心の健康との関連の多くが子どもどうしの違いで説明された一方、同じ子どもの中では関連の一部が残りました。いずれも観察研究か、その統合で、日本の子どもへの当てはまりはこれらの研究では示されていません。
- 日本で、引っ越しや転校が子どもの学力や心の健康に長く影響するかは、研究で示されていますか?日本の子どもについては、今回確認した研究からは示されていません。日本で確認できたのは、1980年代に転校した小学生40人の転校後3か月を追った調査で、学力や長期の心の健康は測っていません。海外では、英国の1地域の出生集団で関連の多くが子どもどうしの違いで説明されつつ、転居の後に心の健康が悪くなる関連が一部残り、オーストラリアの出生集団では関連が全体に小さく、転居の程度や時期で向きが異なりました。
- 引っ越し・転校が子どもに与える影響は、研究でどこまで分かっているか転校と学力、引っ越しと心の健康、転校の時期、育つ地域と成人後の所得を、海外と日本の研究の標本と報告に分けて整理します。転入先で変わる子ども医療費助成の対象年齢も、行政統計で確かめます。
- 研究検証台帳の一覧登録済みの研究を標本・報告・一次資料で並べています。