研究検証台帳
奨学金は大学への進学、大学卒業後の収入拡大・正規雇用の促進に寄与しているのか
萩原 里紗、深堀 遼太郎(2016年)
書誌と確認の記録
- 資料の種別
- 大学機関リポジトリ
- 確認日
標本
大学生の生活実態調査、2005〜2011年の高校生の進路追跡調査、2014年度の教育費負担の実態調査など、既存の全国調査の個票データ
報告
日本学生支援機構の予約採用(高校在学中に奨学金の採用が決まる仕組み)には大学進学を促す効果があったと報告した。奨学金を得て大学を卒業した人は高卒者より卒業直後の収入・時間当たり賃金・正規就業率が高い一方、同じ大卒者どうしでは差がみられなかった。
限界
- 一般化できない範囲
- 慶應義塾大学パネルデータ設計・解析センターの討議用論文です。対象は主に貸与型奨学金で、2017年以降の給付型奨学金や2020年からの修学支援新制度は含みません。卒業後の比較は卒業直後の時点に限られます。
この研究を参照するページ
- 貸与型奨学金を借りられる人が増えたり、高校在学中に採用が決まったりすると、大学進学は増えると日本の研究で報告されていますか?研究ごとに中身が違います。1999年の収入基準の変更(1996〜2003年のデータ)では、新たに貸与を受けられるようになった層の短大・大学進学確率の上昇が変更の直後に限られました。予約採用に大学進学を促す効果があったと報告した研究が1本あり(2005〜2011年の調査など)、別の研究は2005年11月の高校3年生の低所得層で予約採用と大学志願の関連(因果効果ではない)を報告しています。
- 日本の給付型奨学金や授業料減免を受けて進学した人は、卒業後の就業や所得が変わると研究で示されていますか?日本の給付型奨学金・授業料減免については、今回確認した研究からは示されていません。新制度の研究が扱うのは進学したかと進学後に給付を受けたかまでで、卒業直後の収入を比べた日本の研究は主に貸与型が対象です。米国では、テキサス州の公立4年制大学の初年次の低所得の学生で、連邦の給付額の境界による追加給付の資格がその後の所得を増やしたという報告があります。
- 奨学金と進学・中退・卒業後の暮らしの関係は、どこまで調べられているか給付型と貸与型の奨学金について、進学、在学中の中退、卒業後の暮らしに分けて、研究と国の統計が報告している範囲を整理します。
- 研究検証台帳の一覧登録済みの研究を標本・報告・一次資料で並べています。