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観測型FAQ研究

学校に行くことの困難や強い不安がある子どもへの心理的な支援について、研究をまとめた系統的レビューでは何が報告されていますか?

回答の要約
主に海外の研究をまとめた2つの系統的レビューが、主に認知行動療法で、対照群より出席が改善したと報告していますが、どちらも研究の偏りのおそれを挙げています。一方、不安の改善はどちらでも統計的に有意ではなく、抑うつを調べた2025年のレビューでも有意ではありませんでした。比較試験の数は少なく、認知行動療法以外の支援はほとんど比べられておらず、日本の子どもを対象にした結果ではありません。

2015年のレビューは8研究、435名をまとめました

キャンベル共同計画の系統的レビュー(2015年)は、学校に行くことへの強い苦痛を伴う欠席がある子どもを対象にした8研究(無作為化比較試験6件、準実験2件、計435名)をまとめました。8研究中7研究は認知行動療法の変形で、5件は医療機関での実施です。対照群と比べて出席は統計的に有意に改善しました(効果量 g = 0.54)が、不安の改善は有意ではありませんでした(g = 0.06)。多くの研究に偏りのおそれがあり、慎重に扱う必要があるとしています。

2025年のメタ分析も、出席と不安で結果が分かれました

デンマークの研究者による系統的レビューとメタ分析(2025年)は、登校の困難に焦点を当てた認知行動療法の研究15件(無作為化比較試験4件、対照群のない試験11件、計932名)をまとめました。対照群と比べると、出席には中程度の効果(g = 0.44)が見られた一方、不安(g = −0.09)と抑うつ(g = −0.14)への効果は有意ではありませんでした。研究間の違いや偏りのおそれ、測り方の不統一があり、さらなる比較試験が必要としています。

この回答が参照した研究

研究ごとに、調べた対象(標本)、報告された内容、この問いでの用い方を分けて示します。

研究 標本 この問いでの用い方
学校に行くことへの強い不安や苦痛がある小中高生への心理社会的支援の系統的レビューBrandy R. Maynard、Kristen E. Brendel、Jeffery J. Bulanda、David Heyne、Aaron M. Thompson、Therese D. Pigott(2015) 2013年11月までの文献検索で選ばれた8研究(無作為化比較試験6件、準実験2件)、学校に行くことへの強い苦痛を伴う欠席がある子ども計435名。8研究中5件は医療機関での実施 2013年までの8研究で、出席は改善・不安は有意差なし
登校の困難がある子どもへの認知行動療法の系統的レビューとメタ分析Sarah Jakobsen、Katrine B. Tølbøll、Mikael Thastum、Johanne J. Lomholt(2025) 1985〜2024年の文献から選んだ、登校の困難に焦点を当てた認知行動療法の研究15件(無作為化比較試験4件、対照群のない試験11件)、計932名の子ども 2024年までの15研究で、対照群比較では出席のみ有意

この回答で分からないこと

限界
どちらも主に海外の研究のまとめで、日本の子どもを対象にした結果ではありません。2015年のレビューは8研究(準実験2件を含む)と少なく、多くに偏りのおそれがあるため推定は慎重に扱う必要があるとしています。2025年のレビューは15件のうち無作為化比較試験が4件で、11件は対照群のない試験(多くは前後比較)であり、研究間の違いや偏りのおそれ、測り方の不統一もあります。認知行動療法以外の支援はほとんど比べられておらず、フリースクールや教育支援センターのような学校外の学びの場を対象にした結果でもありません。
出典の層
一次資料を確認した研究2件の報告です。研究の対象と識別方法は同じではありません。