12月上旬に、このサイトの住所が future-elementary.com に変わります

新しい住所で開いてみる
くわしく

いまの住所のリンクやブックマークは、変わったあとも自動で新しい住所へ転送されます。Classroom などに貼ったリンクは、新しい住所に貼り替えていただくと確実です。

学校で開けないときは、情報担当の先生や教育委員会に future-elementary.com の許可をお願いしてください。

先生へ学校の端末で開けるか、新しい住所で試してください。

論点別コラム不登校の統計と子どもの声

不登校35万人という数字と、子ども本人の声は分けて読む

小・中学校の不登校は令和6年度に353,970人で、過去最多と報じられました。この数字は学校が報告した人数の集計で、どの機関で相談・指導を受けたかの人数は同じ集計にありますが、子どもがなぜ休んでいるか、どのくらいの頻度で誰とどうつながっているかは、この集計だけでは分かりません。ここでは「何人か」「どこで支援を受けたか」「きっかけを誰がどう答えたか」を別々の問いとして扱います。

3つの問いは、出どころの違う数字で答えています

人数の推移と、学校外の機関での相談・指導の人数は、文部科学省が毎年行う全国の行政統計で答えます。不登校のきっかけは、この統計では学校(教師)が把握した内容として報告されるため、本人や保護者がどう答えるかは、別に行った調査研究の回答と並べて見ます。同じ「不登校」でも、数えた人と数え方が違う数字です。

人数は12年続けて増えましたが、増え方は小さくなりました

令和6年度の不登校は小学校137,704人、中学校216,266人で、1,000人当たり38.6人でした。増加率は前年度の15.9%から2.2%に下がり、新たに不登校となった子どもは153,828人で9年ぶりに減っています。増えた理由や増え方が小さくなった理由について、文部科学省は、増加には教育機会確保法の趣旨の浸透やコロナ禍以降の登校に対する意識の変化など、増加率の低下には教育支援センターの設置など学びの場や相談支援の充実などを「考えられる」背景として挙げていますが、集計から原因を確かめたものではありません。

学校外での相談・指導は12万人、民間施設は1万8千人あまりでした

学校外の機関で専門的な相談・指導を受けた不登校の小・中学生は121,375人で、うち教育支援センターが32,240人、フリースクールなどを含む民間団体・民間施設が18,566人でした。学校内外のどこでも専門的な相談・指導を受けていない子どもは135,724人で、このうち120,759人は担任などから週1回程度以上の継続的な相談・指導を受けていたと報告されています。利用の頻度や、利用してどう変わったかはこの集計では分かりません。

きっかけの回答は、教師と本人・保護者で違う項目があります

4自治体で同じ子どもについて教師・本人・保護者に尋ねた2024年の調査研究では、令和4年度に小学3年〜高校1年(中学3年を除く)だった子どものうち、教師が不登校と報告し本人も年間30日以上の欠席と答えた239名(保護者は200名)について回答を比べました。学業の不振や宿題の提出は三者の回答が近かった一方、心身の不調や生活リズムの不調は本人と保護者の約7〜8割が挙げ、教師は2割弱でした。いじめ被害や教職員からの叱責なども、教師と本人・保護者で割合が違いました。どちらの回答が正しいかを決めた調査ではありません。

経験者の振り返りでは、集め方が異なる二つの調査で、最も多かったきっかけは違っていました

小・中学校で不登校を経験した18〜59歳への調査(令和7年)では、休みはじめのきっかけで最も多かったのは、調査会社に登録してインターネット調査に答えた18,207人では友人との関係(いやがらせやいじめ)の47.5%、支援団体・自治体を通じた321人では精神的不調の46.4%でした。不登校当時にどこにも相談しなかったと答えた人は、インターネット調査の回答者で51.1%、支援団体などを通じた回答者で20.2%でした。数十年前の経験を含む振り返りで、今の子どもの状況とは時期が違います。

参照した研究の標本と報告

同じ論点を扱っていても、研究が調べた対象と報告の範囲は違います。標本と報告を並べて読みます。

研究 標本 報告 限界
文部科学省委託事業 不登校の要因分析に関する調査研究 報告書公益社団法人子どもの発達科学研究所、浜松医科大学子どものこころの発達研究センター(2024) 協力した4教育委員会(大阪府吹田市・広島県府中市・宮崎県延岡市・山梨県)で、令和4年度に小学3年〜高校1年(中学3年を除く)だった児童生徒19,005名、保護者12,140名、担任教師等(児童生徒24,943名分)への質問紙調査。不登校の比較は、教師が不登校と報告し本人も年間30日以上の欠席と答えた239名(保護者は200名) 不登校のきっかけについて、学業の不振や宿題の提出は教師・本人・保護者の回答割合が比較的近かった。一方、いじめ被害、教職員への反抗・反発、教職員からの叱責などは教師と本人・保護者で回答割合に違いがあり、体調不良・不安や抑うつ・睡眠や朝起きられないといった心身や生活リズムの不調は、本人と保護者の約7〜8割が挙げたのに対し、教師は2割弱だった。学校内外で相談・指導を受けていないと報告された子どもでは、学業不振や宿題の問題が多く見られたと報告している。 協力した4自治体の調査で、全国の代表標本ではない。回答は後から振り返った自己申告を含み、どの要因が不登校を引き起こしたかという因果関係は示していない。
「不登校経験者等を対象とする調査」~不登校・いじめ対策等の効果的な活用の推進に向けた調査研究報告書~有限責任監査法人トーマツ(文部科学省委託)(2025) 小・中学校で不登校を経験したと答えた18〜59歳。調査会社のパネルによるインターネット調査18,207人と、支援団体・自治体の協力によるオンライン調査321人(令和7年2〜3月)、ほかにインタビュー13人と支援団体4団体 本人が振り返った休みはじめのきっかけは、インターネット調査では友人との関係(いやがらせやいじめ)が47.5%で最も多く、オンライン調査では精神的不調が46.4%で最も多かった。不登校当時に相談した機関や人が「なし」の割合は、インターネット調査で51.1%、オンライン調査で20.2%だった。中学校卒業後について、人との関わりに苦労したという回答と、成長した・視野が広がったという回答がともに半数を超えた。 調査会社のパネルと支援団体経由の回答者で、不登校経験者全体の代表標本ではない。数十年前の経験を含む振り返りの回答であり、不登校を経験しなかった人や、支援を受けなかった人との条件をそろえた比較は行っていない。

一次資料と確認日は研究検証台帳の各ページに記載しています。

この論点に対応する問い

  1. 小・中学校で不登校の子どもの数は、国の調査でどう推移していますか?

    令和6年度の小・中学校の不登校は353,970人で、12年続けて増え、過去最多でした。ただし増え方は前年度の15.9%から2.2%へ小さくなり、新たに不登校となった子どもは9年ぶりに減りました。

    行政統計

  2. 不登校の小・中学生のうち、教育支援センターやフリースクールなど学校外の機関で相談や指導を受けた子どもは、どれくらいと集計されていますか?

    令和6年度は、学校外の機関で専門的な相談・指導を受けた不登校の小・中学生が121,375人で、うち教育支援センターが32,240人、民間団体・民間施設が18,566人でした。学校内外のどの機関でも専門的な相談・指導を受けていない子どもは135,724人で、うち120,759人は担任などから継続的な相談・指導を受けていました。

    行政統計

  3. 不登校のきっかけについて、子ども本人と先生の回答は一致すると報告されていますか?

    一致しない項目があると報告されています。4自治体の調査で、令和4年度の小学3年〜高校1年(中学3年を除く)のうち不登校として三者の回答を突き合わせた239名(保護者200名)では、学業の不振は回答が近かった一方、体調や不安、睡眠などの不調は本人と保護者の約7〜8割が挙げたのに対し、教師は2割弱でした。全国の代表標本での比較ではありません。

    研究

この整理で分からないこと

限界
人数は学校が報告した集計で、欠席が30日未満の子ども、別室で過ごす子ども、病気・経済的理由などほかの理由に分けられた長期欠席は含まれません。学校外の利用は学校が把握した分だけで、頻度やその後の変化は分かりません。きっかけの三者比較は4自治体で令和4年度の小学3年〜高校1年(中学3年を除く)の239名(保護者200名)、経験者調査は調査会社の登録者と支援団体・自治体経由の回答者で、どちらも全国や経験者全体の代表ではなく、振り返りの回答を含みます。不登校を経験しなかった人や支援を受けなかった人との比較はなく、どのきっかけが不登校を引き起こしたかも示していません。自治体別の人数や取組は、この整理に含まれていません。