観測型FAQ研究
子どもが画面(テレビや動画、コンピュータ)を見る時間の長さと学力には、どんな関連が報告されていますか?
- 回答の要約
- 今回確認した2本の研究では、長く見るほど成績が高いという結果は示されていません。4〜18歳の研究をまとめたメタ分析では、画面の利用時間全体と成績に関連は見られず、テレビの視聴とテレビゲームは成績の低さと関連していました。小学生を2年間追った研究では、テレビやコンピュータを長く使っていた子の、2年後の全国学力テストの読みや算数の得点が低かったと報告されています。どちらも関連の報告で、原因は分かりません。
4〜18歳の研究をまとめたメタ分析では、全体では関連がなく、テレビとテレビゲームは成績の低さと関連しました
4〜18歳の子どもと若者の研究58本(23か国)を整理し、そのうち30本(106,653人)をまとめたメタ分析は、画面の利用時間全体と成績には関連が見られなかった一方、テレビの視聴とテレビゲームは成績の低さと関連したと報告しています。含まれる研究はすべて、ある時点で一度に調べた研究です。
小学生を2年間追った研究では、長く使っていた子の得点が低かったと報告されています
オーストラリアのメルボルンで子ども1,239人を8〜9歳から10〜11歳まで追った研究は、全国学力テストの得点で、8〜9歳のときの成績をそろえたうえで、テレビを1日2時間をこえて見ていた子は2年後の読みの得点が12点低く、コンピュータを1日1時間をこえて使っていた子は算数の得点が12点低かったと報告しています。著者は、この12点を1年の学びの約3分の1にあたるとしています。テレビゲームでは関連が見られませんでした。
この回答が参照した研究
研究ごとに、調べた対象(標本)、報告された内容、この問いでの用い方を分けて示します。
| 研究 | 標本 | この問いでの用い方 |
|---|---|---|
| 子ども・青年の画面メディア利用と学業成績の関連(系統的レビューとメタ分析)Mireia Adelantado-Renau、Diego Moliner-Urdiales、Iván Cavero-Redondo、Maria Reyes Beltran-Valls、Vicente Martínez-Vizcaíno、Celia Álvarez-Bueno(2019) | 4〜18歳の横断研究58本(計480,479人、23か国)。うちメタ分析は30本、106,653人 | 画面の利用全体では関連なく、テレビとテレビゲームは成績の低さと関連したメタ分析 |
| 小学生後半の電子メディア利用と学業成績(追跡研究)Lisa K. Mundy、Louise D. Canterford、Monsurul Hoq、Tim Olds、Margarita Moreno-Betancur、Susan Margaret Sawyer、Silja K. Kosola、George C. Patton(2020) | オーストラリア・メルボルンの子ども1,239人(8〜9歳から10〜11歳まで追跡) | 小学生を2年間追い、長く使っていた子の読みと算数の得点が低かった研究 |
この回答で分からないこと
- 限界
- どちらも、利用時間と成績の関連を見た研究で、画面を見ることが成績を下げた原因かどうかは分かりません。見ていた内容が学習用か娯楽かは、抄録に書かれていません。学習用の動画を、時間を決めて見る使い方については、この研究からは何も言えません。この確認は研究の抄録の範囲で、家庭の利用時間の決まりを判定しません。
- 出典の層
- 一次資料を確認した研究2件の報告です。研究の対象と識別方法は同じではありません。
関連する読みもの
- エレメンタリーの単元1本の動画は数分で、見終わると「見た」しるしが付きます。見る本数や時間は、ご家庭で決められます。
- 学び方の研究ノート:思い出す・間をあける・まぜて解く・手で書く・動画・学習スタイル思い出す練習、間をあけた復習、種類をまぜた練習、手で書くか打つか、動画で学ぶこと、学習スタイルの6つについて、研究で確かめられていることと、まだ確かめられていないことを分けて読みます。関連するエレメンタリーの教材も紹介しますが、その効果をこれらの研究が確かめたものではありません。
- 研究検証台帳標本・報告・限界・一次資料を研究ごとに確認できます。
- 観測型FAQの一覧テーマごとの問いと回答の要約を一覧で読みます。