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観測型FAQ研究

学び方の好みに合わせて教えるとよいという考えを、多くの先生が信じていると報告されていますか?

回答の要約
報告されています。18か国の教育者15,405人を扱った37の研究をまとめた系統的レビューでは、合わせる指導が有効だと信じている人の割合は加重平均で89.1%で、近年減っている証拠はありませんでした。米国の調査でも、学習スタイルは教育者を含むどの集団でも最も多く信じられた脳の俗説の一つでした。日本の先生や保護者の調査は、この確認の範囲では見つかりませんでした。

18か国の37研究をまとめると、信じている人の割合は89.1%でした

2009年から2020年初めまでに発表された、18か国の教育者15,405人を扱った37の研究をまとめた系統的レビューは、学び方の好みに合わせた指導が有効だという回答が、加重平均で89.1%(研究により58%から97.6%)だったと報告しています。近年減っている証拠はなく、使っている・使う予定という回答も同じように高かったとしています。根拠がないことを説明する研修のあとでは、信じる回答が下がった(抄録の表現では平均37%の低下)と報告しています。

米国の調査でも、学習スタイルは最も多く信じられた俗説の一つでした

米国で、教育者598人、神経科学に詳しい人234人、一般の人3,045人に脳についての記述を尋ねたオンライン調査は、俗説を信じる平均の割合が、一般の人68%、教育者56%、神経科学に詳しい人46%だったと報告しています。どの集団でも、最も多く信じられた俗説の一つは学習スタイルに関するものでした。

英国とオランダの先生の調査でも、脳の俗説は広く信じられていました

英国とオランダの小中学校の先生242人に、脳と学習についての32の記述を尋ねた調査は、俗説の平均49%が信じられていたと報告しています。脳についての知識が多い先生ほど、俗説も信じやすい傾向があったとしています。学習スタイルの項目だけの割合は、抄録には書かれていません。

研究論文の側でも、学習スタイルを前提にした論文が多いと指摘されています

近年の研究論文を調べた論考は、大学教育を扱った論文の89%が、学習スタイルの使用を暗に、またははっきり支持していたと報告し、文献を調べた教育者が、使用は研究で支持されていると受け取りかねない状況だと論じています。

この回答が参照した研究

研究ごとに、調べた対象(標本)、報告された内容、この問いでの用い方を分けて示します。

研究 標本 この問いでの用い方
学習スタイルの俗説を信じる人はどれだけいるか、それは問題か:実用的な系統的レビューPhilip M. Newton、Atharva Salvi(2020) 18か国の教育者計15,405人を扱った37研究(2009年から2020年初めまでの発表) 18か国の教育者の37研究で、信じる割合が加重平均89.1%とした系統的レビュー
俗説を払う:教育や神経科学の訓練は脳の俗説を信じる率を下げるが、なくしはしないKelly Macdonald、Laura Germine、Alida Anderson、Joanna Christodoulou、Lauren M. McGrath(2017) 米国の教育者598人、神経科学に詳しい人234人、一般の人3,045人(オンライン調査) 米国の調査で、学習スタイルが最も多く信じられた俗説の一つだった報告
教育における脳の俗説:教師の誤解の広がりと予測因子Sanne Dekker、Nikki C. Lee、Paul Howard-Jones、Jelle Jolles(2012) 英国とオランダの小中学校教師242人(脳科学と学習に関心のある教師) 英国・オランダの先生242人が、脳の俗説の平均49%を信じていた調査
高等教育で学習スタイルの神話が盛んなことPhilip M. Newton(2015) 研究論文の検索(ERIC と PubMed に載った近年の学習スタイル関連論文。件数は抄録に記載なし) 大学教育の論文の89%が学習スタイルの使用を支持していたとした論考

この回答で分からないこと

限界
日本の先生や保護者を対象にした調査は、この確認の範囲では見つかりませんでした。まとめられた研究の多くは、少人数で、集めやすい人に答えてもらった調査で、回答者が「好みに合わせる指導」について聞かれていると理解していたかも分からないとされています。信じる割合や使用は自己申告で、授業を観察したものではありません。
出典の層
一次資料を確認した研究4件の報告です。研究の対象と識別方法は同じではありません。