観測型FAQ研究
給食を全員無料にした地域で、家庭の食費や食料品の買い方が変わったと報告されていますか?
- 回答の要約
- 米国の研究では、子どものいる家庭の食料品支出の減少が報告されています。日本の給食費無償化で家庭の食費を測った研究は、今回確認した範囲にはありません。
米国の家計の購買記録では、子どものいる家庭の食料品支出が約5%減ったと報告されています
米国で貧困世帯の多い学校が全校生徒の給食を無料にできる制度について、家計の購買記録を使った研究は、子どものいる家庭の月々の食料品支出が約5%減ったと報告しています。低所得世帯では購入する食品の質の改善と、食料不安に分類される世帯の減少も報告されました。
米国の小売の記録では、店の価格にも変化が出ました
同じ制度の地域ごとの導入時期の違いを使った研究は、子どものいる家庭が食料品の購入を減らし、大手チェーンの食料品販売が約10%減ったと報告しています。影響の大きいチェーンは全店で価格を下げ、対象外の家庭の食費にも波及したと推計しています。査読前の研究論文です。
この回答が参照した研究
研究ごとに、調べた対象(標本)、報告された内容、この問いでの用い方を分けて示します。
| 研究 | 標本 | この問いでの用い方 |
|---|---|---|
| 学校給食の無料化が家計の食料品購入に与える影響:米国の全員無料化制度からMichelle Marcus、Katherine G. Yewell(2022) | 米国の家計の購買記録。貧困世帯の多い学校が全校生徒の給食を無料にできる制度(地域適格制度)への郵便番号単位のさらされ方で比較 | 米国の家計の購買記録で、子どものいる家庭の食料品支出が減った |
| 学校給食の政策は誰にでも及ぶ:米国の学校給食制度への小売の反応Jessie Handbury、Sarah Moshary(2021) | 米国の小売店の販売記録。全校生徒の給食を無料にできる制度(地域適格制度)が地域ごとに順に導入された時期の違いを比較 | 米国の小売の販売記録で、購入の減少と価格の低下が見られた |
この回答で分からないこと
- 限界
- どちらも米国の同じ制度の結果です。米国では無料化の前から所得に応じた無料・減額給食があり、給食を食べない子どももいました。小売の研究は査読前です。日本の公立小中学校ではほぼ全員がすでに給食を食べているため、無償化で浮いた給食費が家庭の食費や他の支出にどう回るかは、これらの研究からは分かりません。
- 出典の層
- 一次資料を確認した研究2件の報告です。研究の対象と識別方法は同じではありません。
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